神の足跡

【かみのあしあと】

越前海岸の海岸線に沿って延びる国道305号線に面した崖にある一対の奇岩である。大きさは縦5m、横2m。人の足形と言われれば間違いなくそのように見える2つの岩がきちんと揃えられている。向かって左側が「足袋形」、右側が「草鞋形」とされ、次のような伝承が残されている。

昔、この地区を大干魃が襲い、幾十日も雨が降らないために田畑に水が行き渡らなくなった。村人総出で雨乞いをしたが、それでも一向に雨は降らなかった。そこで村人全員で氏神様である春日神社で夜通しの祈願をした。

そして翌朝、村人が神社から出てみると、田畑は水で潤い、川にも水の流れが戻っていたのである。さらに驚くことに、神社裏の崖に大きな足跡が付いていた。村人は、願いを聞き届けた神様が、夜を徹して海から水を汲み上げて土地に水を授けてくれた。きっとその時に崖に足を置かれたものと考えたのである。

アクセス:福井県福井市小丹生町