黒又山

【くろまたやま】

どこから見ても綺麗な円錐形に見える黒又山は、標高280mの小高い山である。この整った形であるが故に、この山は日本の超古代史におけるピラミッドの一つであると言われている。

黒又山は地元では「クロマンタ」と呼ばれている。この名前の由来であるが、一説ではアイヌの言葉で“神々のオアシス”という意味の“クルマッタ”が転訛したとされる。またこの山は昔“クルマンタ”と呼ばれており、やはり“クル”は「神」を意味し、“マンタ”は「野」を意味する“マクタ”が訛ったものとも言われる。いずれにせよ、神聖視された山であると考えてよいかもしれない。

この山は平成4年(1992年)に黒又山総合調査団によって学術調査がおこなわれた。その結果、この山は現在土に覆われているが、麓から山頂までが7~10段の階層を持った人工物であることが分かった。さらに山頂の地下10mの部分に空洞があり、何者かを埋葬している可能性が高いことも明らかになった。つまり、この形状は中南米に見られる階段型ピラミッドを彷彿させるものであり、日本における人工的なピラミッドの存在を裏付けるものと言えるかもしれない。

さらにこの山の周辺には、大湯環状列石をはじめとする遺跡や古社が多くあり、これらの多くは黒又山を中心として正確に東西南北の方角に位置していたり、また夏至や冬至の日の出・日の入りの方角にあることが判っている。少なくとも、この黒又山を中心に据えた祭祀システムがあったと推測できるだろう。

<用語解説> 
◆日本のピラミッド
昭和9年(1934年)に酒井勝軍によって、広島県葦嶽山が日本のピラミッドであると認定されたのが始まり。酒井によると、日本のピラミッドはエジプトのものとは異なり、自然の山を利用して人為的に作り上げられたものであるとし、風化によって元の山の形に戻ってしまっていると説く。その特徴として、三角形の山であること、頂上付近に巨石遺構があることを挙げている。

アクセス:秋田県鹿角市大湯