カッパ松

【かっぱまつ】

牛久沼にはいくつかの河童の伝説が伝わる。その中でも一番有名なのが、カッパ松である。

牛久沼の河童はいつも悪さばかりしており、人々は困り果てていた。ある時、彦右衛門という百姓が度重なる悪戯に憤慨し、力尽くで河童を捕らえると、沼のそばの松の木に括りつけた。炎天下に三日三晩晒された河童はとうとう頭の皿の水を全て失い、命乞いを始めた。哀れに思った村人は戒めを解き、二度と悪さをしないように言いつけた。その後、河童による悪さはなくなり、そればかりか、沼の水草などの掃除までおこなうようになったという。

今でもこの河童を縛り付けたという松の木が残っており、カッパ松と呼ばれている。

そのほか、このカッパ松の近くには、河童をこよなく愛した小川芋銭の住居兼アトリエであった魚雲亭があり、芋銭の業績を称える河童の碑がある。

<用語解説>
◆小川芋銭
1868-1938。日本画家。親は牛久藩の大目付であったが、廃藩置県で牛久沼のほとりで農家を営む。芋銭もその地で農業を営みながら画業を続けた。数多くの河童の絵を残した。

アクセス:茨城県牛久市城中町