淡嶋神社
【あわしまじんじゃ】
全国にある淡嶋神社・粟島神社の総本社である。社殿や境内には所狭しと奉納された人形が並べられており、3月3日には「雛流し」の神事が執り行われることでも有名である。また淡嶋神社は婦人病治癒、裁縫上達、安産祈願などの、女性にまつわる事柄に霊験のある神として信仰を集めている。
淡嶋神社の起こりは、神功皇后の三韓征伐の帰途、瀬戸内海で嵐に遭遇した時に、「船の苫を海に投げ入れ、その流れに従って船を進めるように」というお告げによって友ヶ島にたどり着き、そこに祀られていた少彦名命と大己貴命に宝物を奉納したことによる。その後、仁徳天皇が友ヶ島へ立ち寄った際にその逸話を聞き、対岸の加太に社殿を造ったとされる。それ故に、この淡嶋神社の祭神は少彦名命・大己貴命・神功皇后となっている。特に医薬の神である少彦名命を主祭神として、淡嶋神社の数々のご利益を説いている。
また人形供養以外にも不思議な風習がある。境内奥の末社では、婦人の下の病気を防ぐ願掛けとして、身につけていたパンツを奉納する。そのためこの末社では、絵馬と同じようにビニル袋に入れられたパンツが鈴なりになっている。境内の人形と同じく、或る意味、圧巻である。
<用語解説>
◆淡島神
一般に知られている淡島神の伝承には、少彦名命と同一視する以外に、住吉神の后となったが婦人病に罹ったために淡島へ流されてしまった、天照大神の6番目の御子神であるとする説もある。
アクセス:和歌山県和歌山市加太