雲居寺 お花観音

【うんごじ おはなかんのん】

雲居寺の墓地に一体の千手観音の石像がある。これが「お花観音」と呼ばれる石像である。

新見に藩庁ができたのは元禄10年(1697年)のことである。初代藩主は関長治。この治世の間(1697-1725)の話となる。

新見藩の家老職にあった大橋某の屋敷に奉公していたお花は、その美貌と性格から家老の寵愛を受けるようになった。それに対して正室は嫉妬の鬼となったが、平静を装い、お花を嫡子の子守役としてそばに置いていた。ある時、家老が留守の間に、お花は抱いていた嫡子を誤って落としてしまう。正室は日頃の怨みとばかりにお花を折檻し、ついには女陰を抉り出して殺し、古井戸に投げ込んでしまった。

それ以降、大橋家にはお花の亡霊が現れ、また家鳴りなどの怪事が続いたために、お花の供養にと一体の観音像を大橋家の墓所に建立したのである。今では、縁結びや夫婦和合、また女性の下の病気平癒にご利益があるとされている。

アクセス:岡山県新見市新見