梅宮大社 またげ石
【うめのみやたいしゃ またげいし】
四条通をひたすら西へ行き、いよいよ桂川へさしかかろうとする手前に梅宮大社前という表示が見える。
梅宮大社は“酒”の神である。実際中門の上には酒の菰樽がずらりと並べられており、由来を見てもここに祀られている神様が子をなした時に酒を造って祝ったという言い伝えがあり、それが酒造りの神様として奉られることになったようである。そしてもう一つ、この言い伝えから“安産”の神とされている訳である。
この神社には子授けのための不思議なものがある。それが【またげ石】である。本殿の中にあり、本殿外からの見学は可能であるが、この石をまたぐことは“ご夫婦で子授けのご祈祷をなされた方に限ります”ということである。
平安初期、壇林皇后が何とかして皇子を授かりたいということで【またげ石】をまたぎ、実際に後の仁明天皇をお産みになられたという故事が残っている。またこの神社本殿前の白砂を床に敷いて出産に及び、無事安産であったとも伝えられている。とにかくこの故事以降、この神社は子授け・安産の神として有名になったのである。昭和に入ってからも、有名映画スターがたびたびこの地を訪れて子宝に恵まれたという話が残っており、結構御利益はある様子である。
<用語解説>
◆檀林皇后
786-850。橘嘉智子。嵯峨天皇の皇后。嵯峨天皇の間には二男五女の子供が生まれている。
アクセス:京都市右京区梅津フケノ川町