千人塚海難漁民慰霊塔
【せんにんづかかいなんぎょみんいれいとう】
千人塚は利根川の河口、まさに川と海が接する突端にある。この塚から海を見渡せば、空を遮るものはほとんどない。
この塚は海難事故で亡くなった漁民を祀っている。江戸時代、銚子の川口は潮の流れが急で、阿波の鳴門、伊良湖の渡合と並んで船頭にとって三大難所と言われた場所であった。地元では「銚子川口てんでんしのぎ」と言われ、この辺りを船で通る時は他の船のことを構わず、自分の操船だけを心懸けよと戒められていたらしい。それほどの難所である故に、長い年月に渡ってこの地に多くの供養のための碑や仏像が置かれている。
言い伝えによると、この地で最初の供養が行われたのは、慶長19年(1614年)に起こった地震による津波で1000人以上の漁民が死んだのためであるとされている(しかし、江戸最初期に銚子の集落だけで1000人を超える人が住んでいたかはかなりあやしいとされている)。その後もこの付近で海難事故で亡くなった人はこの塚に祀られたとされ、その数の多さ故に“千人”という数で表記されるようになったようである。
アクセス:千葉県銚子市川口