小栗判官車塚
【おぐりはんがんくるまづか】
説教節で有名な小栗判官の物語は、相模国で毒殺され蘇生した小栗判官が餓鬼阿弥と呼ばれる不具の身体となりながらも、「熊野の湯に入れて元の身体に戻せ」との閻魔大王のお告げを聞いた遊行寺の上人が土車を仕立てて餓鬼阿弥の乗せ、人々に曳かれて湯の峰温泉まで辿り着かせる(途中、美濃の青墓から大津までは、妻となる照手姫が正体を知らずに、亡き夫の供養祈願のためにと車を曳くことになる)。そして49日間の湯治によって小栗判官はついに元の身体となるのである。
湯の峰温泉から熊野大社本宮に通じる道の途中に、車塚と呼ばれるものがある。これが餓鬼阿弥(小栗判官)を乗せてはるばる熊野まできた土車を埋めたところと言われている。ただこの碑の銘には永和2年(1376年)とあり、小栗判官のモデルとなった常陸の豪族・小栗助重の生没年(1413-1481)とは異なっている。
アクセス:和歌山県田辺市本宮町湯の峰