鎧の渡し

【よろいのわたし】

兜神社から徒歩で数分のところに「鎧の渡し」という場所がある。ここにも平将門と源頼義(源義家の父)の伝説が残されいる。

源頼義が東北遠征へ行く際、この地で暴風雨に遭い、この淵に鎧を沈めて龍神に祈ったところ、風雨が止んで川を渡ることができたという。この由来からこの辺りを「鎧が淵」と呼ぶようになり、ここにできた渡し場を“鎧の渡し”と名付けたそうである。

将門の由来については、この地に兜と鎧を納めたということになっている。“兜”という名で思い出すのが兜神社であるが、向こうでの兜の由来は将門公の死後の出来事であり、どうも関連性は薄いようである。

江戸時代にはこの“鎧の渡し”は有名だったらしく、名所図会にも取り上げられている。しかし、明治5年に橋が架けられ、渡し場は消滅してしまった。という訳で、現在ではこの橋が「鎧橋」と呼ばれるようになっている。

アクセス:東京都中央区日本橋兜町