眼鏡岩

【めがねいわ】

長さ20m、高さ10mの巨岩に左右2つの大穴が空いている。その奇観は江戸時代より“平戸八景”の1つに数えられている。

この特徴的な大穴であるが、波による侵蝕によって出来たものと考えられており、その後の隆起によって現在のような姿になったようである。

この奇観故にはいくつかの伝説が残されている。

遣唐使船に乗り込むためにこの地を通りがかった空海は、この奇岩に梵字と観音像を刻んだとされる。現在でもその刻まれた文字と像は確認することが出来るという。

さらにこの奇岩が出来た伝説として次のような話が残されている。かつてこの地には巨大な鬼が棲んでいた。ある時昼寝をしていたが、ふと目を覚まして寝転んだまま大きく伸びをしたところ、足元にあった巨岩に両足が当たり、そのまま突き破ってしまった。それが眼鏡岩の2つの大穴であるという。

現在は公園化され、すぐそばに所縁の観音堂がある。

<用語解説>
◆平戸八景
旧平戸藩にあった8つの景勝地。現在は町村合併によって全て佐世保市内にある。高巌・潜龍水・石橋・大悲観・巌屋宮・福石山・潮之目・眼鏡岩の8箇所。眼鏡岩以外の7箇所は国の名勝に指定されている。

アクセス:長崎県佐世保市瀬戸越町

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