大塚神社 耳塚

【おおつかじんじゃ みみづか】

一面水田地帯の真ん中にそそり立つ巨木が目印となっている。近くまで来ると、この小さな神社そのものが少し盛り上がった土地に鎮座しているために、ここが塚であることが分かる。

この耳塚に埋められているのは、八面大王の耳であると言われている。八面大王はこの安曇野地方の伝説では鬼とされ、悪逆の限りを尽くした後に坂上田村麻呂によって攻め滅ぼされたとされている。しかし蘇ることを恐れた田村麻呂は、八面大王の遺骸を切り刻んで、各地に埋めたのである。耳塚はその耳を埋めた場所であるとされているのである。

現在では“耳の神様”として有名となり、祈願をする地元の人も少なくないという。

<用語解説>
◆八面大王
魏石鬼(ぎしき)とも言われる。鬼として民話化されているが、この伝説の元となった史実として、『仁科濫觴記』にある盗賊団“八面鬼士大王”の存在がある。この書物によると、耳塚は、降伏した盗賊団を処罰した際に手下を含めて全員の耳をそぎ落としたものを埋めた場所であるとされている。

アクセス:長野県安曇野市穂高耳塚

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