義経鞭桜
【よしつねむちざくら】
この沼倉の地には源義経ゆかりの判官森があるが、その森への入口そばにあるのが義経鞭桜である。
奥州藤原氏の許にいた義経は、この地をよく訪れていたとされる。判官森の由来でも、この土地を治めていた沼倉小次郎高次が平泉に打ち棄てられていた義経の胴を引き取って埋葬したのが始まりであるとされており、昵懇の間柄であったと考えられる。そしてこの桜の木は、その名の通り、義経が使っていた乗馬用の鞭を挿し木したところ見事な桜の木となったという伝承を持つ。
現在は3代目の木とされており、その隣にある木は“静桜”と呼ばれているらしい。また木の根元あたりにはかなりの数の石碑や石祠があるが、これは地元の民間信仰に関わるものであり、この桜の木そのものを祀るものではなさそうである(一番目立つ石碑も“筆塚”と刻まれており、勿論義経にまつわる伝承とは全く関連性がない)。
アクセス:宮城県栗原市栗駒沼倉