女木島 鬼ヶ島大洞窟

【めぎじま おにがしまだいどうくつ】

女木島は、高松港から船で約20分のところにある。周囲が約9km、人口の200人足らずの小さな島である。

この島は別名「鬼ヶ島」と言われる。香川県における桃太郎伝説の主要な場所である。この島の中央部で巨大な洞窟が発見されたのが伝説の始まりであるが、ただしその洞窟発見は昭和6年(1931年)に橋本仙太郎によるものであり、ずいぶんと新しいものである。

この洞窟であるが、自然のものではなく人工的に掘削された跡もあり、何者かが意図的に造り上げたものであると考えられる。現在は観光化され、全長約400mの洞窟は鬼のオブジェが点在し、いかにもという雰囲気を醸し出している(ただしオブジェは子供にも親しみやすく、あくまでもフレンドリーな印象であるが)。洞窟内は、大広間や宝物庫・監禁部屋、さらには水源や大将の部屋まで結構な間取りになっている。何となく冒険の旅を彷彿とさせる印象は、なかなか楽しいものがあると思う。

<用語解説>
◆讃岐の桃太郎伝説
讃岐に派遣された稚武彦命(わかたけひこのみこと)が桃太郎であり、犬・猿・雉にちなんだ地名出身の家来と共に鬼(海賊)を退治したとする。高松市鬼無町には桃太郎を祀る神社やその墓が存在する。

◆橋本仙太郎
1890-1940。郷土史家。昭和5年(1930年)に『童話「桃太郎」の発祥地は讃岐の鬼無』を地元紙に寄稿する。これによって鬼無は桃太郎伝承地として脚光を浴びることとなり、さらに翌年の女木島の洞窟発見で信憑性を高めることになった。

アクセス:香川県高松市女木町