円福寺 八百比丘尼堂

【えんぷくじ やおびくにどう】

八百比丘尼にまつわる伝承は、福井県小浜市をはじめとして全国各地に存在する。春日井市にある円福寺も、また八百比丘尼の生誕地として伝承を残している。

円福寺の創建は養老7年(723年)。その頃は、この周辺は海に面しており、漁が盛んにおこなわれていたという。ある時一人の漁師が、首から上が人間という不思議な魚を捕らえてきた。村人が大騒ぎをしているうちに、その不思議な魚の肉を食べてしまった少女があった。少女はその後絶世の美女となるが、その容貌は全く年を取らないままとなり、ついに800年間も生き長らえた。そして世をはかなんで剃髪し、寺の裏山にある横穴に入定したという(この横穴は小浜にある空印寺の八百比丘尼入定洞と繋がっているとも言われる)。またあるいは、世をはかなんで剃髪してから諸国を遍歴、ついには若狭小浜の空印寺にて洞穴に入定したとも言われる。

現在、円福寺の観音堂へ上る参道の途中に、小さなお堂がある。これが八百比丘尼を祀る堂であるとされる。長寿延命は勿論、年月を経て多くの男性を夫に持ったとの伝承から縁結びの御利益もあるとのことである。

アクセス:愛知県春日井市白山町