犬島・猫島
【いぬじま・ねこじま】
石見畳ヶ浦は、地震によって隆起した海蝕台などを中心とした海岸景勝地である。そのエリアに、周囲50mほど高さ30mほどの尖った槍のような2つの島がある。それが犬島・猫島と呼ばれる島である。この島の名前の由来は、なかなかスケールの大きな話による。
石見に出来た国分寺は伽藍が巨大で、その建物の影が遠く唐の国にまで及んで、日陰になる土地では農作物が不作になるほどであった。これを知った唐の赤猫は、不作にあえぐ民衆のために、日本へ渡ってこの国分寺を焼き尽くそうと考えた。ところが、日本にたどり着いた赤猫に敵が現れた。日本の忠犬が、赤猫の企みを阻止すべく襲いかかってきたのである。追い回す忠犬と、振り切ろうとする赤猫。とうとう進退窮まった赤猫は冬の寒い海に飛び込み、それを追って忠犬も海に飛び込んだ。すると寒さのあまり、2匹とも固まって島になってしまったのである。
アクセス:島根県浜田市国分町