浦島太郎足洗の井戸
【うらしまたろうあしあらいのいど】
京急子安駅の南側の住宅地にある。この付近には昔ながらのポンプ式の井戸が点在しており、現在でも防災時の飲料水確保のために現役であるという。その中に浦島太郎が足を洗ったとされる井戸がある。
現地には特別な案内板もなければ、それと分かるような痕跡もない。ネット上にあるいくつかの紹介記事を頼りに現地に辿り着き、さらに近隣の事情に詳しいお年寄りに尋ねて何とか特定できた次第。しかしながら、伝承に関しては単純に「浦島太郎が足を洗った」ということだけで、他にとりたてて何かあるわけではなかった。かつては長命にあやかり、病気に罹らないということで、産湯にも使われていたらしい。
浦島太郎の伝説が神奈川の地にあるのは、大郎の父が相模国の出身であったためで、竜宮城から帰還して身寄りがなくなってから故郷を懐かしんで戻ってきたということになっている。これだけは神奈川の浦島太郎伝説共通の設定である。
浦島太郎が足を洗ったという場所は、この井戸以外にもある。それが足洗川である。既に暗渠となって久しいが、かつてはこの川で足を洗うと、足の病気によく効くとされたらしい。また近所にある浦島寺へ参詣の折には、この川で足を清めてから詣るとされていたという。今では「足洗川の碑」というものが残されているだけである。
アクセス:神奈川県横浜市神奈川区子安通