玉川洞窟観音
【たまがわどうくつかんのん】
現在は海沿いのコンクリート製のトンネル内部に安置されているが、平成の初め頃までは天然の洞窟内に安置されていた。現在のお堂は非常に厳かな雰囲気で、空気がピンと張り詰めている感じがした。線香・蝋燭代に100円が必要。
かつて泰澄が山からこの海あたりを眺めていると、海中に光るものがある。漁師に頼んで引き上げてもらうと、それは十一面観音像であった。それを祀ったのが、この玉川洞窟観音であるとする。その後、黄金の像であると勘違いした泥棒に盗まれたが、里のはずれまで来たら仏像が急に重くなってしまって、結局そこへ放置して逃げてしまったという伝説も残る。実際、幕末と明治の中頃に盗難に遭っているが、いずれも無事に戻ってきたという。
<用語解説>
◆泰澄
682-767。越前の生まれ。大宝2年(702年)に文武天皇より国家鎮護の法師に任ぜられる。養老元年(717年)に白山に登頂し白山修験道を開く(白山権現は十一面観音の垂迹とされる)。
アクセス:福井県丹生郡越前町玉川