血の宮 高屋神社

【ちのみや たかやじんじゃ】

崇徳上皇の死から荼毘に付されるまでの期間は、まさに“大魔縁”として世に災いをもたらすことを宣言するデモンストレーションと言えるような怪異が起こるわけであるが、その中でも最も怪奇性の高いエピソードが【血の宮】にまつわる話である。

遺体の置かれた八十場から荼毘に付すために白峯山へ向かった翌日、途中の高屋でにわか雨にあった葬列は、いったん棺を台石に置いて雨がやむのを待っていた。そして出発のため棺を持ち上げると、台石に血が付いていた。その血は棺からしたたり落ちてきたものだったのである。

その後、この怪異を恐れた土地の者によって、この地に崇徳上皇の霊を慰める高屋神社が建立され、怪異の起こった台石もその神社に奉納された。そしてこの怪異の故事から【血の宮】と呼ばれることになる。

<用語解説>
◆崇徳上皇
1119-1164。第75代天皇。1156年の保元の乱により、讃岐に配流。以後、崩御まで帰京を許されなかった。御陵も坂出市内にあり、帰京を許されなかったため怨霊と化したと言われる。

アクセス:香川県坂出市高屋町