【いしみやじんじゃ】
天平5年(733年)に編纂された『出雲風土記』に、次のような逸話が記述されている。
出雲を治めていた大国主命が、ある時、1匹の犬を連れて猪狩りに出掛けた。すると、2匹の猪が現れたので、犬を使って追い詰めていった。そうしているうちに犬と2匹の猪は石となってしまった。この出来事から、このあたりの地は“猪の道=宍道”と呼ばれるようになったとされる、と。
この犬と猪が化した石が、かつて“宍道社”と呼ばれていた石宮神社の境内にある。
鳥居を挟むようにしてある、2つの巨石が「猪石」と呼ばれる(この近くにある“女夫岩”が「猪石」と比定される説もある)。さらに社殿の裏にある、石垣で囲まれた2mほどの巨石が「犬石」と呼ばれる。この「犬石」がこの神社の御神体とされている。
<用語解説>
◆『出雲国風土記』
和銅6年(713年)に編纂が命ぜられ、天平5年(733年)に完成とされる。現存する各国の風土記の中で、最も完本に近いとされる。上記の逸話は、意宇郡宍道郷の条に記載されている。
アクセス:島根県松江市宍道町白石