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鹿野田神社

【かのだじんじゃ】

創建の年代は不明であるが、棟札から弘安年間(1278~1288年)より前には社殿があったとされる。かつては潮妙見大明神と呼ばれており、また祭神は彦火火出見尊である。さらに神社の境内には昔から井戸があり、塩水が湧いている。この「潮満の井戸」の水は御神水とされ、井戸は覆い屋での中にあって、豊玉姫を祀った祠がある。

彦火火出見尊は記紀伝承における“山幸彦”であり、海神の娘の豊玉姫はその妻である。山幸彦は、兄の海幸彦と交換した釣り針をなくしたために龍宮に行き、そこで豊玉姫と巡り会う。そして3年後、無事に釣針を見つけると、「潮満玉」と「潮涸玉」を授かって地上に戻る。「潮満玉」を用いればたちまち潮が満ち溢れ、逆に「潮涸玉」を用いると潮が引くという不思議な玉であり、これを使って最終的に海幸彦を服従させるのである。

この2つの玉が鹿野田神社の御神体であるとされ、この神徳によって塩水の井戸が境内にあるとされる。不思議なことにこの井戸の水には干満があり、しかもこの地から12kmほど離れた日向灘の干満と同じであるという。

かつてこの地を和泉式部が訪れ、病に倒れた時にこの井戸の水で湯治をしようとしたらしく、近くに式部の墓とされるものがあるという。

アクセス:宮崎県西都市鹿野田

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