【はっぽんすぎ】
素戔嗚尊が退治したとされる八岐大蛇は、8つの頭と8つの尾を持つ怪物とされるが、再び蘇らないようにするために8つの頭を全て切り落として埋めたという。その時素戔嗚尊は頭を埋めた場所に8本の杉を植えて目印にしたとされる。それが、現在の八本杉のある場所である。
この八本杉の地は、その後何度も斐伊川の氾濫によって流されたとされ、現在の杉の木は明治6年(1873年)に植えられたものである。八本杉を示す石碑を中心に整然と植えられた杉の大木は、宅地の中にあって不思議な空間を生み出している。
<用語解説>
◆斐伊川
奥出雲から雲南市を通り、島根・鳥取の県境で日本海に注ぎ込む一級河川。『古事記』では“肥河”とされ、洪水によって大量の土砂をもたらす川であったと考えられる。また八岐大蛇は、たびたび氾濫を繰り返すこの川のイメージであり、素戔嗚尊による“退治”は即ち川の治水であったという説もある。
アクセス:島根県雲南市木次町里方