【だいだらぼっちのあしあと】
全国各地に伝わるダイダラボッチ(巨人)の伝説であるが、浜松市にもそのダイダラボッチの足跡とされる土地が2箇所ある。共に姫街道の通る浜名湖の北に位置し、直線距離で約5km離れてある。
細江町にある足跡は、住宅に隣接した池になっている。ただ足跡と言っても、道路などの区画整理によってかなり埋められ、約10m四方の正方形の形をしている。道路沿いにダイダラボッチの伝説の案内板があるので、それと分かる程度のものとなっている。
一方の三ヶ日町の足跡は平らな窪地となっており、それなりの大きさはあるものの、やはり県道の開設によって一部が削られていると言われる。こちらも案内板がなければ、ただの空き地にしか見えない。
この2つの伝承地にある案内板には、浜松に残るダイダラボッチの代表的伝説が書かれている。
ダイダラボッチは東の国に大きな山を造ろうと、西の国で土を掘り返して土を運んだという。その途中で休憩したのが、この浜松。尉ヶ峰に腰を下ろして弁当を食べたという。この休憩の際に出来たのがこの2つの足跡とされている。そして飯の中に紛れ込んでいた小石をつまみだし、浜名湖に捨てて出来たのが“礫島”であるとされている。ちなみに東の国に造られた山が富士山であり、西の国で掘られた土地が琵琶湖となったとされる。
さらにスケールの大きい話では、この土地までやって来たダイダラボッチが何かのはずみでよろけて、地面に手をついてしまった。その手形で出来たのが浜名湖であるという。
<用語解説>
◆尉ヶ峰
浜松市北区の細江町・三ヶ日町・引佐町の境界にある山。標高は433m。2つのダイダラボッチの足跡の中間地点に位置している。
◆礫島
浜名湖にある唯一の島。岸から約400m離れた場所にある。周囲約300m。島には弁財天を祀る礫島神社があり、普段は上陸できない禁足地となっている。
アクセス:静岡県浜松市北区細江町気賀
静岡県浜松市北区三ヶ日町只木